Big3 の3ヶ月 ― リハビリ期の重量推移を読む
fit-log #004
2026-05-24
期間: 2026-02-26 〜 2026-05-17 (12週)
SQ: 60×5 → 77.5×4 (+17.5kg)
DL: 60×5 → 72.5×5 (+12.5kg)
BP: 50×5 → 57.5×6 (+7.5kg)
1. この記事の目的
第1回の振り返りでは Big3 の推定1RM が12週間で大きく伸びたことを示した。この記事ではその背景を掘り下げる。怪我明けという状況、プログラムの設計方針、種目ごとの制約と推移を記録しておく。
数値が伸びた理由を正直に読むには、出発点の制約を先に整理する必要がある。
2. 開始時の制約
足首捻挫(2025年12月)
2025年12月、スケートボードで転倒し左足首を捻挫した。スクワットとデッドリフトは足首の背屈を必要とするため、ハイバースクワットのフルデプスや通常のコンベンショナルデッドリフトには制限がかかった。
初期はローマニアンデッドリフト(RDL)から始め、足首の状態を見ながら3月下旬にコンベンショナルデッドリフトへ移行した。
手首捻挫(2026年1月)
2026年1月、スノーボードに行く日、ゲレンデに向かう前に凍結した路面で転倒し、左手首を捻挫した。スノボを始める前に怪我した。バーベルを握るすべての種目に影響が出たため、特にベンチプレスとオーバーヘッドプレスの開始を遅らせることになった。
肩(Bankart 術後 2年)
2024年頃に肩の Bankart 病変で手術を受けている。術後2年が経過して安定はしているが、ベンチプレスで肩に負担のかかるフォームへの警戒は残っていた。
4月までベンチを遅らせた直接の理由は手首捻挫の回復待ちだが、肩との兼ね合いも頭にあった。手首と肩、両方に気をつけながらおっかなびっくり始めた12週間だった。
3. プログラム構成
ジム週3回+補助週2回
MacroFactor の「初心者 全身」プログラム(ワークアウト A/B/C)をベースとして使用した。1回のセッションで全身の主要筋群を刺激する構成で、ジムでの Big3 を含むメイントレーニングを週3回、その合間に自宅や短時間でできる補助トレーニングを週2回入れる形で取り組んだ。
プログラムは枠組みとして使いつつ、足首や手首の状態に応じて種目を入れ替えたり追加したりしており、メニュー通りに厳密に従ったわけではない。
RIR ベースの強度管理
セットの強度管理には RIR(Reps In Reserve:あと何回できるか)を使用した。MacroFactor がセットごとに RIR を記録し、次セッションの重量を提案する仕組みになっている。
リハビリ初期は RIR 3〜4 の余裕を持った範囲で動かし、怪我部位への反応を確認しながら徐々に RIR 1〜2 まで追い込んでいった。重量を上げることよりも「痛みなく動かせるか」を優先した期間だった。
補助種目
Big3 に加えて以下の種目を組み込んだ。
- コア: アブホイール、サイドプランク
- 肩・背中: ラテラルレイズ、ケーブルラットプルダウン、シーテッドロウ
- 足首リハビリ: カーフレイズ(ステップ上)、アンクルドーシフレクション(脛側)
- 有酸素・爆発系: ボックスジャンプ、縄跳び、ケトルベルスイング(4月末〜)
カーフレイズは3月から最後まで継続した。GW中に高尾山へ行ったことで脛側(前脛骨筋)の弱さを意識し、5月以降はアンクルドーシフレクションも追加した。ボックスジャンプと縄跳びは補助トレの日に組み込み、足首が着地衝撃に耐えられるまで回復してきた確認も兼ねていた。ケトルベルスイングは4月末から追加した。ジムに行けない日が続いて5日空くこともあったため、自宅でできる運動として取り入れた形だ。
4. 種目別の推移

4.1 スクワット
2月23日の最初のセッションは 20×10、40×5、50×3、60×5 のランプアップで、60kg で動作確認をした感触だった。翌週の2月26日から「初心者 全身」プログラムとして本格スタートした。
推移は比較的スムーズだった。足首の状態が改善するにつれて可動域が広がり、5月3日に 77.5kg×4(RIR1)を記録した。これが期間中の最大重量となった。
4.2 デッドリフト
足首の制約から、最初はローマニアンデッドリフト(RDL)を選択した。RDL はコンベンショナルに比べて足首背屈が少なく、ハムストリングスに負荷を集中できる。60kg からスタートし、3月下旬に足首の状態が安定したところでコンベンショナルデッドリフトへ移行した。
コンベンショナルへの切り替え直後も 60kg から始め、5月10日に 72.5kg×5 まで到達した。
4.3 ベンチプレス
最も遅れてスタートした種目だ。手首捻挫の回復を待ち、4月5日に 50kg×5 で初回セッションを行った。スクワットやデッドリフトより開始が6週間遅れている。
その分、期間内の絶対的な伸びは +7.5kg と最も小さいが、実質的な実施期間(約6週)で計算すると週 1.25kg ペースで、スクワットの週 1.5kg ペースと近い。
5. マッスルメモリーか、純粋な向上か
過去の最大重量との比較
直近の最大重量はトレーニングを続けていた2017年の記録だ。
| 種目 | 2017年最大 | 2026/05/17 時点 | 残り |
|---|---|---|---|
| スクワット | 115kg×5 | 77.5kg×4 | 約 37.5kg |
| デッドリフト | 120kg×5 | 72.5kg×5 | 約 47.5kg |
| ベンチプレス | 60kg×5 | 57.5kg×6 | 約 2.5kg |
ベンチプレスはほぼ戻った。元々胸が得意な種目ではなく、約9年前の最大値と現在がほぼ同水準にある。マッスルメモリーの効果というより、もともとの上限値に近い範囲で動いているとも読める。
スクワットとデッドリフトはまだ過去最大の 60〜65% 程度だ。この12週間での伸びはマッスルメモリーの回復段階にあり、本来の強度に近づくにつれてペースが落ちていく可能性が高い。
次の局面
現時点の重量帯では、適切な負荷をかければ週単位で重量が上げられる段階にある。スクワット 100kg、デッドリフト 105kg を当面の目標として設定しているが、それ以降は月単位のペースに移行すると予想している。
怪我の再発防止を最優先としつつ、重量の伸びが鈍化するポイントを観察していく。