ウエスト -6.0cm の内訳 ― 採寸データを読む
fit-log #003
2026-05-24
期間: 2026-02-26 〜 2026-05-17 (12週)
ウエスト: 89.0 → 83.0cm (-6.0cm)
胸囲: 94.0 → 91.5cm (-2.5cm)
ヒップ: 95.5 → 92.5cm (-3.0cm)
上腕 (右): 26.5 → 27.0cm (+0.5cm)
1. この記事の目的
前回の記事では、12週間のリコンプ期を振り返った。体重の変化は -0.6kg と小さかったが、ウエストは -6.0cm 動いた。
数値の乖離が大きい。体重と周径は、どちらも身体の変化を捉える指標だが、測っているものが違う。体重はすべての組織(脂肪・筋肉・骨・水分・内臓など)の総量であり、周径は特定の部位の形状変化を反映する。脂肪が減って筋肉が増えれば、体重は動かないまま周径だけが変わることがある。
この記事では採寸データを部位ごとに分解し、数字の動きを読んでいく。
2. 採寸の方法と誤差
測定プロトコル
計測は原則、毎週日曜の朝に実施している。起床後・食前のタイミングで、体重計測に続けてメジャーで各部位を測る。時間帯・空腹状態・姿勢をできるだけ揃えることで、週をまたいだ比較を成立させるためだ。
誤差の主な要因
メジャー計測には ±1〜2cm の誤差がある。主な要因は以下の3つだ。
- 前日の飲酒・むくみ: 水分貯留で一時的に周径が増える
- 手動計測のばらつき: メジャーの当て方、力加減、姿勢のわずかな違い
- 体調・消化状態: 前夜の食事量や睡眠の質も影響する
1週間での1〜2cm の変動は誤差範囲内として扱い、数週間にわたるトレンドで判断するようにしている。
左右差について
上腕は左右両方を計測しているが、左右に差がある。右利きで手足とも右側が優位なこと、加えて過去に左手首と左足首の捻挫歴があり、左右でトレーニング強度に差があるためだ。このブログでは右腕の数値を代表値として記録している。
3. 部位別の変化
ウエスト: -6.0cm
今回の計測で最も動いた部位がウエストだ。89.0cm から 83.0cm まで、12週間で 6.0cm 減少した。
これは身体的な特徴と一致する。もともと腹部にだけ脂肪がついている、いわゆる中年体型だ。全体の体脂肪が減ると、最も脂肪が集中していた腹部に変化が集中しやすい。内臓脂肪と皮下脂肪の両方が減少したことが、この数値に反映されていると考えられる。
胸囲: -2.5cm / ヒップ: -3.0cm
胸囲とヒップは、それぞれ -2.5cm、-3.0cm と、ウエストに比べると変化が小さい。これらの部位は元々の脂肪量が少なかったため、変化幅も相対的に抑えられたと解釈できる。
上腕 (右): +0.5cm
唯一プラスになったのが上腕だ。26.5cm から 27.0cm へ +0.5cm。誤差範囲内といえる小さな数値だが、他の部位がすべてマイナスの中で上腕だけが増加していることは注目に値する。
Big3 を中心としたトレーニングを再開したことで、上腕を使うプレス・ロウ系種目の負荷が蓄積されていたとすれば、周径の微増はマッスルメモリーによる早期の筋肉回復を反映している可能性がある。筋肥大の証明にはならないが、少なくとも筋肉が「減っていなかった」ことは示している。
4. BIA 体脂肪率の読み方
使用機器
体脂肪率の計測には eufy Smart Scale を使用している。BIA(生体電気インピーダンス法)により、微弱な電流を身体に流し、電気抵抗から体脂肪率を推定する。
水分量への依存
BIA の根本的な問題は、測定値が水分量に大きく左右される点だ。身体の水分が多い状態では筋肉量が多いと判定され、水分が少ないと脂肪が多いと判定される傾向がある。
- 朝一番(脱水気味)→ 体脂肪率が高く出やすい
- 運動後・サウナ後(脱水)→ 体脂肪率が高く出やすい
- 大量に水分補給した後 → 体脂肪率が低く出やすい
このため、1回の計測値に意味を持たせず、毎朝同条件(起床直後・食前・排泄後)で計測し続け、数週間のトレンドで読むようにしている。
ネイビー法との併用
BIA の補完として、採寸からネイビー法(米海軍式)で体脂肪率を算出している。ネイビー法はウエスト・ヒップ・身長(男性の場合)の計測値を使う計算式で、BIA のように水分量の影響を受けない。
ただしこちらも精度に限界がある。特に腹部の脂肪分布に依存するため、ウエストが大きく変わった今回のように部位変化に偏りがある場合は、過大・過小評価が起きやすい。
絶対値ではなく、BIA とネイビー法の両方が同じ方向に動いているかどうかを確認することで、体組成の変化トレンドを推定するようにしている。
12週間の BIA 推移

12週間期間(2/26〜5/17)の BIA 体脂肪率は、7日移動平均で 25.3% → 24.4%(-0.9%) の変化だった。日々の実測値は ±0.5〜1% のばらつきがあり、単日の値からは傾向が読みにくい。グラフで移動平均を見ると、3月以降に緩やかな下降トレンドが確認できる。
ただし -0.9% という変化幅は、BIA の誤差範囲に近い。「確実に下がった」とは言い切れず、「少なくとも増えていない」という読み方が適切だ。
5. 考察
体重 -0.6kg に対して、ウエスト -6.0cm という結果をどう解釈するか。
一つの仮説は、リコンプが成立していたというものだ。脂肪が減り、筋肉が増えれば、体重はほぼ変わらないまま周径が動く。特にウエスト(脂肪が集中していた部位)が減り、上腕(トレーニングで刺激していた部位)が増えたというパターンは、この仮説と整合する。BIA の 7日移動平均も -0.9% と、ノイズが大きいながらも下降方向を指している。
もう一つの可能性は、水分・消化物の変動だ。体重計測の日によっては、食事内容や排便状態で 1〜2kg 前後する。体重のスナップショットが低い日に記録されていた場合、脂肪減少量は実際より小さく、筋肉増加量は実際より大きく見える。
どちらの仮説が正確かは断言できない。ただ、ウエスト -6.0cm という数値は、体重変化だけを追っていたら見えなかった情報だ。周径を継続的に計測することには、それ自体に意味がある。